ホラリー占星術の本 その1
― レジオモンタナス ハウスシステム ―


占うためにホロスコープを作成する際必ず一度は遭遇するのが、ハウスシステムの問題です。

古典・伝統的占星術の世界に入ると、レジオモンタナス(Regiomontanus )ハウスシステムを知るのが普通です。それでなぜレジオモンタナスがいいんだ?と考えつつ、そのハウスシステムを使いますが、人によっては他のハウスシステムと比較しながらホラリーの占断で検証を重ねるかもしれません(私の場合はそうでした)。

理論を学ぶ中で、ハウスカスプまでの天体の度数が距離や時間の目盛りになっていることを知り、実践でその精度の高さに感嘆すると、レジオモンタナスハウスシステムの優秀さを経験的に学ぶことになります。その後、ホロスコープに含まれた4次元情報を、レジオモンタナスハウスシステムを使いながら読み取ることになります。

さて、あなたはホラリー占星術を真剣に勉強したい人に、どの本を薦めますか?

私はウィリアム・リリー(William Lilly)のChristian Astrology(以下CA)とオリビア・バークレイ(Olivia Barclay Q.H.P.)のHorary Astrology Rediscovered(以下HAR)を間違いなく薦めます。20世紀以降のホラリーの本の中で、バークレイのHARは最良だと思います。

特定の技法について調べるときに、その項目に的を絞って各書籍を比較対比して理解を深めることがありますが、多くの点でこのHARは厳選した有効な判断材料を提供しており秀逸です。尤もオリビア・バークレイの偉業や実力を客観的に見れば、私ごとき者が優れている本だと評価すること自体が僭越で、別の視点でみれば非礼を働いているようにすら感じます。このHARはレジオモンタナスハウスシステムに関して、説明とチャートが手を抜かずに記載されている数少ない1冊です。学び手が本文だけでなく視覚からも理解することを配慮しています。歴史、理論が構築された背景、実用する利点、本物の質の高い鑑定で必要なものは何なのかを、判断材料と合わせて提供しています。オリビア・バークレイがウィリアム・リリーの信奉者であるかのような批判をしている人がいるとしたら、その人は彼女が残したたった1冊の本すら読んでいないことを自ら公言しているようなものです。この本はCAと同様、占星術家を育てる本であり、後世に有益な情報を残した歴史に残る本です。

このレジオモンタナスハウスシステムを例に、他のいくつかの本に触れてみましょう。
Martial Art of Horary Astrology(以下MAHA/リー・レーマン著)では、レジオモンタナスという語句が目次にもインデックスにも登場していませんが、使用しているチャートはレジオモンタナスです。高緯度(アラスカ)での鑑定事例のみ形状通りにチャートを記載していますが、他のチャートは30度間隔のフォームをベースにハウスカスプの度数のみレジオモンタナスのものを書き込んでいます。

レーマンと同様30度間隔のフォームを利用して、レジオモンタナスを使った占断例を記載している本は多く、 Horary Astrology Plain & Simple(以下HAPS/アンソニー・ルイス著)やThe Horary Textbook(以下HT/ジョン・フロウリー著)も同様です。HTはインデックスにレジオモンタナスを記載し、本文で入門者向けに簡単に説明しています。しかし中途半端な説明で、著者がネイタルで使っているプラシーダスハウスシステムとの共通点や相違点を書き分けていません。お薦めできない内容ですが、これがたまらなく好きな人もいるのかもしれませんね。

話が元に戻りますが、ホラリー占星術について、CAやHARを読まれた方には次の4冊を積極的にお薦めします。
The Doctrine of Horary Questions/John Gadbury (以下DHQ)
 リリーが説明していない別な判断方法や理論を見ることができます。同じ時代にあって、リリーの述べる理論と若干相違点のある技法の説明もありますので、どちらが有効か試して、自分で使える方を吸収するとよいでしょう。視野が広がると思います。
Martial Art of Horary Astrology/J. Lee Lehman
 CAやHAR、DHQと重複しないように執筆しています。鑑定事例が豊富です。レーマンのいいところは、本人が知っていることと調べてもわからなかったことを明確にしているところです。占断例と解釈では、時折CAやHARの方が核心に迫ったシンプルな論理を展開しているように見える箇所もありますが、そこをあえてもう一つ別な理論を用いて、同じ結果を出せることを証明しているように思えます。
Simplified Horary Astrology/Ivy M. Goldstein-Jacobson
 占断で用いる技法が、伝統的なもの古典や中世の技法とは異なるものを多く含んでいます。経験的な情報を含め参考になります。占断方法の幅を広げることができると思います。
Horary Astrology and the Judgment of Events/Barbara H. Watters
 古代から使われてきた特徴的な技法と情報について、その解釈と説明に一読の価値があると思います。

 上記以外にも、すばらしい本はきっとあり、これからも世に出てくると思います。
 世の中に完璧な本などあるわけがなく、必要な知識が1冊に完全に集約されているはずがありません。
 良書を読むことは、知識をさらに広げ、最初に習得した基礎と応用力に磨きをかけてくれますし、視野を広げてくれます。余力あれば、ボナタスのLiber Astronomiaeのホラリーの章を読んだり、このページで推薦していない他の興味のある本に手を伸ばすとよいと思います。
 興味がある、というのは大事なきっかけになります。あまり薦められない本を読む中で何か大事なことに気付くこともあるからです。しかしながら厳選された良書を読むことは、占星術家として成長する上で不可欠だと思います。
2005年12月31日新規

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