スターメディア通信 2002.8.26.第6号 より抜粋。
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 T. ― プロジェクト・ハインドサイト出版物より ≪連載第4回≫ ―
   書名:The Phases of the Fixed Stars
   著者:クラディウス・トレミー(プトレマイオス) (Claudius Ptolemy)
   訳者:Robert Schmidt, 編者:Robert Hand  出版年 1993年

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プトレマイオス(100?-170?)はローマ期にエジプトのアレクサンドリアで活躍した天文学者・数学者です。
ローマ期、エジプトなど地中海一帯には、ヘレニズムの影響が強く残っており、多くの文献はギリシャ語で書かれていました。プトレマイオスの本もそうです。
* 同じ時期、ベッティウス・バレンス(150?-185年)も活躍しています。

プロジェクト・ハインドサイトでは、プトレマイオスの恒星に関する著書を1993年に翻訳・出版しています。The Phases of the Fixed Stars です。
この本は、30個の恒星のヘリアカルヒライアカル(2009.2.14.訂正)・ライジング/セッティングを観測して天候を予測したものです。ホロスコープは一つも登場していません。しかし、バビロニア占星術の影響を全面的に受け継いでいるわけでもありません。

同書を翻訳したロバート・シュミットは、プトレマイオスの本を翻訳する難しさを冒頭で書いています。プトレマイオスの言葉をより正確に訳そうとするなら、彼の持っていた哲学感をより忠実に理解した上で、適切な翻訳をする必要があること、一見すると単純・簡単そうに見えるプトレマイオスの短い言葉は、哲学的に奥深いものが多く、原文を正確に翻訳するのに苦労したことなどを述べています。

プトレマイオスの主な著書は次のようなものです。
  テトラビブロス(Tetrabiblos)
  球面平画法(Planispherium)
  光学(Optica)
  ハルモニア3巻(Harmonicorum libri V)
  地理学(Geography)
  アルマゲスト(Almagest) ←古代天文学書として有名な本。

ロバート・シュミットはプトレマイオスのテトラビブロスのBook1,3,4を独自に翻訳し、プロジェクト・ハインドサイトにて販売しています。当店でも取寄せ可能です。(定価各$25)

///用語説明///
heliacal(ヘリアカルヒライアカル 2009.2.14.訂正)  三省堂カレッジクラウン英和辞典より
太陽の(solar);(星などについて)太陽に近い; 太陽と同じ時刻に出没する

* 参考文献 * 
「西洋占星術の歴史」 著者:S.J. Tester  恒星社厚生閣

英語のheliacalの語源は、ギリシャ語のHeliakos(eの上に-があります)です。語源を考慮して日本ではヘリアカルという言葉を使っていると私は理解していました。ところが最近は、インターネット上の一部の辞書に heliacalは英語なのでヒライアカルが正しく、ヘリアカルは間違い、との注意書きがでるようになりました。それには納得できないので、このページではこのまま、ヘリアカルを残しておきたいと思います。2009.2.7

その後考えたのですが、今後はヒライアカルで当店の情報は統一していこうと思います。語源はともかく、英語ではヒライアカルと発音するのは事実であり、また、外来語としてヘリアカルがないようなので、現状でより適切なものに統一したいと思います。2009.2.14.


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