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【スターメディア通信】 2013.7.15.第50号
I. アセンダントのオブリークアセンション(oblique ascension)
II. タームのディレクション
III.エッセンシャルディグニティについて
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I. アセンダントのオブリークアセンション(oblique ascension)
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古典占星術で、ネイタル占星術とホラリー占星術の技術的な違いの一つといえば、赤道座標を使ったディレクションの有無です。ネイタルの場合あります。ホラリーは基本的に黄道座標を使用します。

ネイタル占星術には数多くのディレクションが存在します。例えば、プライマリーディレクション、ソーラーアークディレクション、シンボリックディレクション、トランジット、セカンダリープログレッション、天体のリターンなどです。これらは古典でもモダンでも幅広く知られている代表的なものでしょう。

古典占星術にはネイタル占星術でラディックス(出生図)そのものから未来を読む技法として、例えばフィルダリア、タームのディレクション、トリプリシティを使った人生全体の流れの読み取る技法などがあります。この中でディレクションは、タームのディレクションです。これは上述の一部のディレクションと同様に、赤道座標を使います。タームのディレクションの場合、アセンダントのオブリークアセンションを使います。

オブリークアセンションは、プライマリーディレクションの技術を使うと、赤道上にない天体からオブリークアセンションを求める場合は、例えば、北半球に天体が位置する場合、デイセミアーク(昼の半弧)からアセンションディファレンスを引いた値がオブリークアセンションです。しかし、アセンダントのオブリークアセンションは次のように、比較的簡単に求めることができます。

アセンダントのオブリークアセンションは、MCの赤経に90度を加えた値です。このポイントは、実は観測点を基点に作成される地平線の大円と赤道の交点で、東側がアセンダントのオブリークアセンションです。

MCの赤経は、占星術関係のソフトウェアでは大抵はRAMCと表示されています。RAは赤経(Right Ascension)の略です。占星術ソフトでも簡単なレクティファイ機能付きのものには、ASCやMCを変更すると連動してRAMCが表記されるものが増えているので、ソフトウェアでRAMCを調べてアセンダントのオブリークアセンションを出すと良いでしょう。一部の天文暦の類の中には、クリスチャンアストロロジー Book3の冒頭のように、緯度ごとにオブリークアセンションを掲載しているものがあります。この他、関数電卓で値を出す人たちもいます。

次に、観測点の緯度によってアセンダントのオブリークアセンションとホロスコープのアセンダントにどんな変化が生じるのか、例を出して説明します。

2013年の春分の日時に誰かが東京で生まれたとしましょう。その人の出生図は日本の2013年の春分図http://www.starmedia.ne.jp/material/2013_spr.gifと同じです。なぜこんな説明を加えるのかというと、マンデンでは、春分図で通常オブリークアセンションは使わないからです。図を出生図と思ってお考えください。編集時間の都合上既存のホロスコープを出生図として使っています。

この出生図のMCはしし0度58分、ASCはてんびん27度27分です。ソフトウェアPlacidusでこのチャートのRAMCは123度11分37秒です。チャートのアセンダントのオブリークアセンションは、RAMCに90度を加えた値で、213度11分37秒です。地平線は赤道の213度11分37秒と、黄道のてんびん27度27分を通過しているということです。地平線は赤道と黄道を斜めに横切った状態です。

チャートの観測点は東京で北緯34度42分、東経139度46分です。同じ東経でも北緯54度の場合どうなるかですが、これは観測点が北に19度ほど移動しているだけなので赤経は変わらず、RAMCは同じです。地平線の大円は北緯34度42分のものよりも、赤道面に対しての傾きは小さくなります。RAMCは同じなのでチャートのアセンダントのオブリークアセンションの値も同じです。しかし、北緯54度の場合、ASCはてんびん22度36分です。

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II. タームのディレクション
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タームはネイタル、ホラリー、イレクション、マンデンなどどの分野でも重視されることがあるエッセンシャルディグニティです。ネイタルのタームのディレクションはその一つです。

2013年の春分時に東京で生まれた人ですが、アセンダントはてんびん27度27分なので、タームは火星です。次のタームはさそりの6度未満の範囲で同じ火星です。そのタームが表す期間は、ラディックス(出生図)の火星に示され ることが起こりやすいです。例えば幼少期は、火星がおひつじのドミサイルで第6ハウスにあるのでそこそこ体力があるのですが、太陽や天王星を伴っていることも影響して、発熱、発疹、虫さされ、口腔内の怪我をしやすく、月と土星との関連から、悪寒、腹部の冷えと腹痛などを体験しやすいです。また、突然怒ったり、具合が悪くなったりと、心身に変動が生じやすい時期です。

タームですが、火星の次はさそり6度から木星です。木星の時期は何歳に始まるかを、アセンダントのオブリークアセンションを使って導き出します。

値はソフトウェアPlacidus 7.0を使っています。
3月20日20時42分48秒でアセンダントはさそり6度00分06秒です。
3月20日20時42分47秒でアセンダントはさそり5度59分54秒です。

木星の影響が出てからを考慮して、3月20日20時42分48秒を採用します。
RAMCは133度38分20秒。
アセンダントのオブリークアセンションは 223度38分20秒です。

ラディックスのアセンダントのオブリークアセンションは213度11分37秒でした。この差が、木星のディレクションに入る年齢を表します。

223度38分20秒-213度11分37秒=10度26分43秒≒10度26.72分

年齢の出し方は次の値を使います。(赤道座標です)。
 1度 = 1年
 5分 = 1カ月(30日として計算)
 1分 = 6日

10度=10年
26.72分=26.72分÷5=5.344カ月=5カ月+0.344×30=5カ月10.32日

10歳5カ月10.32日より木星のタームが始まります。
この期間は木星に表示される事が起こりやすいです。チャートを見ると、木星のタームの区間に逆行中の土星が入っています。木星がディスポジターの一つであり、タームで土星を支配している状態です。木星の良いことだ けが出てくるのではなくて土星の影響や関連する天体の影響が出てきます。気分を害する体験が多いでしょう。親族など身近な人との別れがありそうです。小学校の勉強、自宅のこと、兄弟や親族との関係、食事、運動など身体を動かすことで本人には忍耐を要することが出てきます。体調も変動があって具合が悪くなることがあります。そんな時期に自分を助けてくれる人が現れます。家族や身内は重要な存在だと感じる体験をすることがあります。

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III. エッセンシャルディグニティについて
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エッセンシャルディグニティについて、点数表から天体の強弱を出す事しか知らない場合、古典占星術の入り口から中に入りきれていない状態です。もっと有効な勉強を重ねる必要があるでしょう。

エッセンシャルディグニティは5種類です。サイン(ドミサイル)、エグザルテーション、トリプリシティ、ターム、フェイスです。クリスチャンアストロロジーBook1には天体の点数表が出ていますが、ここに書いた順番でドミサイルが一番強くフェイスが一番弱いです。+5 +4 +3 +2 +1で表しています。

この数字による表現は、古典占星術では必要な知識です。影響力を対比するような占断で判断材料で使います。しかし、それは鑑定全体でみれば一部に過ぎません。エッセンシャルディグニティは、この数字で表現される以外のものを占断で使うことが実はたいへん多いです。

エッセンシャルディグニティには、各々に固有の役割や、関連しての作用などあります。先の点数化する能力は不可欠で、初歩の段階で覚える必要がありますが、実占ではそれ以外の知識がかなり求められます。

フェイスは7つの天体が構成しており、曜日と時間、どんな物事が起こりやすいのか、提示しています。これはエッセンシャルディグニティの中の優劣というものではなくて、フェイスの特質であり役割です。他の天体はどんなに影響力があってもこの役割は担えないのです。フェイスのこの知識は古典占星術では、ホラリーだけでなく、ネイタル、イレクション、マンデンのどれでもよく使います。

それから、フェイスの位置するデカンは天候や気象に関与していることで、古代から知られています。

タームですが、ネイタルのラディックスのアセンダントのタームが金星や木星の人は、火星や土星の人よりもどちらかというとあまり苦労しない傾向がある、といったようなことは、クリスチャンアストロロジー Book3などに出ていることです。具体的な鑑定方法はここでは書きませんが、この知識は結局タームのディレクションにも関連しています。タームはネイタルに限定せずホラリーでもイレクションでも考慮することが多々あります。事の進行にある状態で影響することが多いからです。

ホラリーで、パートオブフォーチュン(POF)の強さで、タームを考慮しています。タームは古代からいろんな場面で影響が出るので重要視されています。他のエッセンシャルディグニティとの優劣の問題ではなくて、タームだからこそそこで支配的になるものがあるのです。

トリプリシティは、エレメントのエッセンシャルディグニティです。あらゆる占断で使います。アロマ関係でも古典占星術を片手間ではなく本格的に扱える場合に限り、ホラリーでトリプリシティは丁寧に扱われる場面があります。ネイタルではトリプリシティを使った人生全体の流れの読み取る技法などもあります。単に健康問題だけでトリプリシティを使うわけではありません。マンデンでもイレクションでも、トリプリシティに注意することがあります。

エグザルテーションやドミサイルは、他のエッセンシャルディグニティと同様にどの占断でも使います。

エッセンシャルディグニティとディスポジターは、古典占星術の真髄の一部でもあります。知らなければ使えない、学ぶほどに使えるけれどもそこに至るまでは、忍耐と時間と情熱が求められ、総合的な学びとなります。
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★☆★ 編集後記 ★☆★
・皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 猛暑で一部の地域では干ばつ、別の地域では水害がでるなど、なかなか自然は厳しいです。無理をせず、お体を大切に、お過ごしください。

・ルーメン・コーレブより先週連絡がありました。5年前に着手したバビロニアのあの有名なアストロラーブ(アストロラーベ)の研究書がこのほど出版されました。以前、アッシリア学会で発表したものであり、それをまとめ上げたものです。下記サイトで販売しております。ぜひ、お求めください。私は注文済みです。

http://www.eisenbrauns.com/item/KOLBABYLO

この本の出版のお知らせは、今週中にサイトに掲載する予定です。ルーメン・コレーブの名前はこの研究により歴史に残ることになるでしょう。

・皆さまにとって、毎日が豊かなものとなりますよう祈念しています。
今号でも、多くの出会いと経験に感謝の気持ちを込めて。

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◆次号第51号は2013年9-10月頃にお届けする予定です。◆
 それまでにメールが発行される場合は、臨時増刊号になります。
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