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ドミサイル(domicile) ドミサイルは、90年代のプロジェクト・ハインドサイトの翻訳物のいくつかですでに利用されていた言葉です。 天体が自分自身のサインにあることを、ドミサイルといっています。この用語を占星術業界で共通して使用しようじゃないかという呼びかけを、最近ロバート・シュミットがしていました。(新しい翻訳シリーズで、同時に販売されていた講演のCDを聴いた人はご存知だと思います)。 domicile は 英語で 住所、本居、家 の意味があります。主な居所、そこを拠点に活動している意味合いがあるので、天体が自分自身のサインにあることをドミサイルと決めたのでしょう。 私は、これまでのところ、ドミサイルを意識的に使っていません。ラテン語のdomus(住家、家)、domicilium(住所、居所、家)と似ているからです。この二つの言葉には、house(家)の意味もあり、過去に、黄道12宮と12ハウスを混同する誤訳を生み出した歴史があります。現在でも一部の英和辞典には、houseの項に、十二宮の一つ、と掲載されています。 確かに、天体が自分自身のサインにあることを一つの言葉で表現して、共通した概念として世界で共有することは大事なことだと思います。しかし、ハウスとサインの混同が生じた過去の歴史を振り返ると、私はドミサイルを使うことに抵抗があります。私はドミサイルについは、これまでと同じ理由で、意識的に使わずしばらく静観したいです。 カタルケ(katarche) ギリシャの占星術家は、事の始まりとその後の経過を見ることを重視していました。病気の始まりと経過を調べることが当初多かったようですが、事の始まりから進行を読むことをカタルケと呼んでいました。カタルケには、始まり(beginning)の意味があり、古代ギリシャでは多くの占星術家が取り組んでいたテーマです。 カタルケは中世に入ると、イレクション(イレクショナル占星術)へと発達します。新規に事を始める際に日時の選定をするなど、イレクションが積極的に生活や活動に取り入れられている事例があります。13世紀のグイド・ボナタスがイレクションを重要な局面で利用していたことは知られています。ホラリー占星術では、病気について鑑定する際、病気が始まった日時を重視しています。これは古くはカタルケですが、そのホロスコープは現在はイベントチャートとして読まれています。 カタルケは歴史が古く、長い間、占星術の鑑定を実践する現場では、人生をより豊かにするために、時には自分に優位にことを運ぶために積極的に使われてきました。この利用方法は、西洋だけでなく、東洋系の占いにも多く見られます。 私は、カタルケについては、ホラリー占星術を学び始めた頃に人に教えてもらったことがあります。同じ頃、プロジェクト・ハインドサイトのTranslating Hellenistic Astrology into a Modern IdiomというRobert Schmidtの講演を収録したテープセット(現在はMP3のCD)で、カタルケについて聞きました。ロバート・シュミットもカタルケと発音していました。カタルケはジム・テスターの西洋占星術の歴史(山本啓二訳)の中で、カタルケーと訳されています。 最近、カタルケをカタルキーもしくはカターキーと発音する人たちがいるようです。理由はわかりませんが、英語圏ではそういう発音があるのかもしれません。私は、日本の専門家や海外の占星術家の言葉でカタルケという発音を耳にしていること、山本氏の翻訳もカタルケーとしていますので、このカタルケ(カタルケー)を標準的な言葉として使うのが望ましいと思います。語源に近い発音の方が良く、こういうところを複雑化しない方が、長い目で見れば占星術を理解する人が増えると思うからです。 数年前より、日時の選定、事の始まりを読む鑑定依頼が、私のお店で増えました。日時の選定の効果を知っているお客様に、こんな積極的な使い方があったのか!!と驚かされることがありました。日常生活、仕事に取り入れる人がほとんどですが、魔術関連で使う人もいますし、フラワーエッセンスの調合に利用する人もいます。歴史的に見れば、占いの現場では日時の選定を積極的に有効に使ってきた人たちが多いのだということを、肌身で感じています。 2009年12月19日 新規
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